2020年9月1日より改正薬機法が施行されました。
今回の薬機法(医薬品医療機器等法)改正は、「対物から対人へ」という焦点から、新しい薬局の定義や、オンライン服薬指導等の導入に加え、服用期間中の患者さんへの継続フォローが義務化されました。
しかしながら、急に服用期間中のフォローと言われても「なにをすればいいの?」という方が大半かと思います。
この記事では、服用期間中のフォローの義務化の概要、背景、フォローの流れから解説します。
服用期間中のフォローとは?
2020年9月1日より、「薬剤師が、調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う義務」が法制化されました。
患者さんのお薬の使用状況をしっかり把握してプロの知見から指導してね!ってことですね。
服用期間中のフォローが義務化されたのはなぜ?
患者さんからすると、全然お薬のことについて分からない中で、安心してお薬を服用するために、「プロのサポートが欲しい!」と思うのは当然ですよね。
薬剤師には、疾患や使用中の薬の特性に合わせたアドバイスが求められていますが、実際のところ、薬局や薬剤師によって、患者さんが受けられるサービスに差があるというのが現状でした。
そうした背景から、公平な医療サービスの実現に向けて、服用期間中のフォローの義務化が施行されたと考えられています。
どんな流れで実施すればいいの?
では実際に、服用期間中のフォローの実施はどのような手順で進めるべきか、日本薬剤師会の「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」を参考に、服薬フォローの流れについて解説していきます。
公益社団法人日本薬剤師会
「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」について
https://www.nichiyaku.or.jp/pharmacy-info/other/follow-up.html
(1)初回来局時
初回の来局時は、患者さんの情報を適切・的確に把握することが最も重要です。
継続的にフォローを行うために、年齢や性別、体重、薬剤服用歴、職業など、様々な点をヒアリングします。
(2)薬剤交付から次回来局までのフォローアップ
患者さんにヒアリングしたら、患者さんの情報をもとに、必要な対応を行います。
患者さんへの情報提供や受診勧奨、医師・医療機関への情報提供などですね。
それらの内容は記録し、必要に応じて、フォローアップの内容を見直します。
(3)次回来局時
(1)(2)の中で実施したフォローの結果を基に、今回来局から次回来局までのフォローアップについて再検討します。
その後もフォローアップ実施→再検討→フォローアップ実施→再検討と行いながら、必要に応じてメールやSMS、電話等も活用していきます。
患者さんの安心・安全のために
このように、服用期間中のフォローは、患者さんの安心・安全を実現することに繋がります。
しかしそれによって薬剤師の業務負担が増したり、現場が混乱しては本末転倒ですよね。
実際、電話でのフォローで、手間がかかったり、なかなか電話が繋がらなくてタイミングが難しかったりするという声も耳にします。
現在は服用期間中のフォローを簡単にするシステムやツールが続々と出てきていますので、今後、フォローが必要な患者さんが増えた際には、こういったツールの導入を検討するのもありかもしれません。
当サイトでも「『服用期間中のフォロー』ツール7選!」というページを公開しております。
ぜひご参考ください。