薬歴をSOAP形式で!わかりやすい薬歴の書き方

患者さんに服薬指導をしたら、指導内容は薬歴に記入します。
薬歴は誰が見ても伝わることが大切なため、項目毎に記入するとわかりやすいです。

そのフォーマットとして「SOAP」が採用されている現場が多いのではないでしょうか。

しかし、「SOAP」方式は慣れるまで少し難しく感じますよね。
今回は、「SOAP」の書き方で薬歴を記入する際のポイントを解説します。

「SOAP」ってなんの略?

「SOAP」とは医療現場における記録の方法の一つです。

薬局に置き換えていうと

S(subjective):患者さんの主観的情報

O(objective): 客観的情報

A(assessment): 薬剤師からの評価

P(plan): 今後の計画

といった項目です。

例えば、

患者「腰の痛みは軽くなったんだけど、時々少し胃が痛くなることがあったのよねぇ」
薬剤師「そうなんですね。お薬(ロキソプロフェン)は食前に飲んだりしましたか?」
患者「そういえば食前に飲むこともあったわ」

というようなやり取りがあったとすると

S:腰痛は改善したが胃の痛みあり(患者さんの自覚症状を簡潔に)
O:腰痛は改善。軽度の胃痛あり(客観的情報)
A:ロキソプロフェンの食前投与で、胃痛が起こった可能性あり(評価)
P:服用方法を理解しているか、もう一度確認する。(具体的な解決方法)

といったような形で記入します。

実際は、雑談をしながら服薬指導をしている方もいるかと思います。
その場合は、必要のない情報を取捨選択して、簡潔に書くことを心がけましょう。

ただ、雑談の中にも重大なヒントが隠されていたりもしますよね。
そういったことも含め、あくまで薬剤師としての視点から判断し薬歴記入をしていきましょう。

「SOAP」のポイント

ただ4つの項目を埋めるだけでは、当然のことながら薬歴としての役割を果たせません。
薬歴は患者さんに適切な医療行為が行えるように「患者さんの情報・状況」の記録と「第三者への情報共有」のために作成するものです。

ですので、

「出来るだけその場で記入する」
「簡潔にわかりやすく書く」
「当日のやり取りがわかるように作成する」

といったことが大切です。

情報量が少なかったり、重要な点が分からないくらい長い薬歴では、良い薬歴とは言えません。
「POS(Problem Oriented System)」をヒントに、誰が見ても分かる薬歴作成を心がけていきましょう。

「POS」とは

「問題志向型システム」を意味する言葉です。

薬剤師は、患者さんの情報を収集し適切に判断しなければいけません。
その際に、「情報が多くて分からない」「得た情報の活用方法が分からない」と思われている方は、この「POS」を意識しましょう。

流れとしては情報収集→問題の明確化→解決の為の計画立案→実施というサイクルで考えます。

具体的には、

お薬の飲み忘れが多い(情報収集)

外出の際に飲み忘れてしまう可能性(問題の明確化)

ピルケースを使用して外出時に忘れないようにする(解決の為の計画立案)

ピルケースの利用を勧める(実施)

このような流れで考えていきます。

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、「POS」の考え方が実践できれば、自然と「SOAP」方式の入力ができます。
したがって、「POS」も1つの考え方として知っておくとためになるかと思います。

薬歴記入の注意点!

薬歴の書き方は、患者さんの来局状況によっても変わります。
ここでは、大きく2つに分けてみていきます。

初めてきた患者さん

初めて来局した患者さんの情報は全くないので、患者さんの住所や既往歴などの基本情報や、アンケートを書いてもらう薬局も多いかと思います。

この際に、情報量が多くついつい長く薬歴に記入したり、すぐに薬歴に反映させられず、内容を忘れてしまうとことがしばしば起こります。

こうしたことを防ぐために患者さんの言葉をそのまま写さず簡潔にまとめたり、すぐに薬歴にかけないときはメモを取るなどの工夫をしていきましょう。

2回目以降の患者さん

2回目以降の患者さんは、前回の問題点や解決方法を、第三者から見て分かる形で記録します。

また、継続的に来局している患者さんは、変化の内容をしっかり見極める必要があります。

ついつい毎回DO処方で同じような内容を書いてしまいますが、必要に応じて修正、加筆をして、情報を更新することが大切です。

誰が読んでもわかりやすい薬歴の記入を!

薬歴の記入は、読んだだけで患者さんの状況・情報がわかることが大切です。
ただ、一方で、薬歴記入に時間が掛かってなかなか残業が減らないという薬局も多いかと思います。

最近の電子薬歴では、テンプレートが登録出来たり、タッチするだけで下書きが完成したり、音声入力が出来たりと、様々な機能で多忙な薬局業務をアシストしてくれます。
システムの選定も念頭において、誰が見ても分かる薬歴の作成を心がけていきましょう。

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