薬局の残業といえば、やはり、薬歴への記載ですよね。
「薬歴残業」なんて言葉もあるように多くの薬剤師が薬歴の作成に時間を割かれているのではないでしょうか。
もちろん、理想的には、すぐに薬歴を記入するのがベストです。
しかし、忙しい薬局業務の中で「あとでまとめて片付けよう」とついつい後回しになってしまいがちですよね。
また、在宅が多いと、準備や移動に時間を取られ、薬歴の作成時間をいかに作るか悩んでいる方も多いかと思います。
今回はこうした悩みを解決してくれる電子薬歴の機能を紹介します。
タイピングを最小限に!テンプレート機能
薬歴残業が多い原因の一つとして、文字入力のタイピングスピードが挙げられます。
タイピングに慣れていないと、どうしても薬歴作成に時間がかかってしまいますよね。
電子薬歴にはテンプレートを登録できるものもあります。
例えば、インフルエンザの若い患者さんは、指導文が似たようなものになることが多いと思います。
そういったときに、クリックのみで、登録した文章を呼び出して使うことができれば、薬歴作成の時間を大幅に削減できますよね。
また、そうした機能が無くても、パソコンの辞書機能やクリップボードアプリを活用すれば、同じような文章を記入する際に、効率的に入力することができます。
パソコンが苦手でも大丈夫!音声入力機能
音声入力機能でパソコンに向かって喋れば、そのまま薬歴に入力される電子薬歴もあります(メディクス、エニフボイスなど)。
iPhoneのSiriやGoogle Home、Alexaなど、音声で端末を操作するのは、生活にも根付いてきていますよね。
電子薬歴でも、指導内容を喋るだけで入力できるのでパソコン操作が苦手な方も簡単に入力ができます。
外からでも薬歴が書ける!外部に端末を持ち出せる機能!
クラウド型の電子薬歴ならもちろん、最近の電子薬歴は外に端末を持ち出して外から薬歴が記入できる機能(またはオプション)があるものが多いです。
在宅の多い薬局だとこういった機能は重宝しますよね。
また、クラウド型の電子薬歴はグループの店舗間で薬歴が記入できたりするものもあります。
「他の店舗の応援で薬歴記入が終わらない」という方も、移動先で別の店舗の薬歴が書けたり、帰ってきてから薬歴を書くことができます。
在宅の多い薬局やグループ店舗が近い薬局は特に使いたい機能ですね。
薬歴の記載状況を見える化!集計機能!
店舗の薬歴の状況を見ることができる集計機能も薬歴残業の解決策になるかもしれません。
ピッキングばかりしていたり、持ち越しが多い人が簡単にわかるので、薬局内の業務フローの見直しや改善に役立たせることができます。
一度メーカーに、集計機能が使えるか確認してみましょう。
加えて、電子薬歴の使い方や便利な機能を薬局内で共有したり、メーカーに質問したり、場合によっては機能要望を出したりすることも大事です。
こうした行動が実を結べば、より効率的に充実した薬歴の作成をすることができるようになるでしょう。
予測変換や入力をもっと便利に!入力サポートアプリ!
電子薬歴の機能ではありませんが、電子薬歴の入力サポートをしてくれるアプリケーションを紹介します。
例えば、日本語入力システムの「ATOK」なら、
● 日付の入力を「きょう」と打ち込むと「2020年〇月〇日(〇曜日)」の形式で変換する機能
● 長文の変換を自動で自然な変換をしてくれる機能など、文字入力をする上で便利な機能
などが目白押しです。
ATOK以外にも、入力のサポートをしてくれるアプリがありますので、一度確認してみましょう。
電子薬歴の変更も一つの手
他にも「入力端末が足りない」「そもそも電子薬歴が使いにくい」といった場合は、電子薬歴の変更を考えても良いかもしれません。
薬局が狭くて入力端末が増やせないのであれば、タブレットに対応した電子薬歴(メディクス、Goocoなど)に変更も良いでしょう。
動きが遅くて「使い物にならない」というのであれば機械の更新や、端末にデータが溜まらないクラウド型の電子薬歴も検討してみましょう。
薬局内の端末を無料で増やせたり、使いやすさを重視した電子薬歴も多数存在します。
当サイトでも代表的な電子薬歴を紹介しているので参考にしてください。
薬歴の目的を忘れずに
このように最近の電子薬歴は便利な機能が多数搭載されています。
しかし、効率化を意識するあまり、不十分な薬歴を作成するのでは本末転倒です。
個別指導の際にも注意を受けるし、第三者が見た際に正確な情報が伝わらないのでは薬歴の本来の役割を果たせていません。
便利な機能を正しく活用し、短い時間で充実した薬歴の作成を心がけましょう。