電子薬歴は、薬局業務において切っても切り離せないシステムです。
だからこそ、電子薬歴の変更が必要になった際は、しっかり考えて行いたいですよね。
では、実際に電子薬歴を変更するとき、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。
今回は電子薬歴を変更するときの注意点について解説します。
薬歴データ保存の決まり
まず一番重要なのが「薬歴データの保存」です。
薬歴の保存について、法律上、次のことが決められています。
すべての記録が直ちに参照できるよう保存・管理
3年間保存
「最低3年分はすぐに出せるようにしておいてね」ってことですね。
また、保存の際は、
真正性
見読性
保存性
上記を確保することが同様に定められています。
これらの、法律で取り決められているところについては、特にきっちりとおさえておくようにしましょう。
薬歴データ保存の方法
保存の決まりが分かったら、次は保存方法です。
新しい電子薬歴を導入する際、2つのパターンが考えられます。
紙→電子薬歴
紙から電子薬歴を検討する場合、今までの薬歴データを紙から電子薬歴に移行することは、メーカーでは、基本、対応してくれません。
ですので、紙から電子薬歴への変更を考えている場合は、今までの薬歴は紙で保存しておきましょう。
内容は、手が空いた時に電子薬歴に順次入力していくのもありですね。
電子薬歴→電子薬歴
今、使っている電子薬歴から新しい電子薬歴を検討している場合、PDFや印刷して保存、それをもって移行するのであれば問題ありません。
しかし、多くは「薬歴データを新しい電子薬歴に移行したい!」というケースになります。
その場合、今使っている電子薬歴メーカーが「exPD(異なる電子薬歴メーカー間でデータ移行するための協会)」に加盟しているか、確認が必要です。
PHCやハイブリッジ等、EXPD非加盟のメーカーを使っている場合は、薬歴データの移行が出来ない可能性があります。
また、今のレセコンをそのまま使うのか、レセコンも変えるのかで、対処方法も変わります。
ここでポイントですが、今のレセコンをそのまま使う場合、使っている薬歴機能の部分を解約しても、薬歴データは見られる場合が多いのです。
過去の薬歴が見られるか、各メーカーに確認しましょう。
レセコンを変更する場合は、薬歴を保存しているハード自体が変わってしまうので、PDFや印刷して保存をしないのであれば、データの移行は必須です。
今、使っているメーカー、新しく検討しているメーカー双方に相談しましょう。
電子薬歴の変更はしっかり考えて
このように、電子薬歴を変更する場合、今までの薬歴の保存方法も考えなければなりません。
災害時のことも考えると、薬局の外にデータを保存するクラウド型やハイブリッド型の電子薬歴も検討したいところです。
ただ一方でexPDによる薬歴データの移行は費用がかかるので、薬局の実態に合わせて薬歴の保存方法を考えていきましょう。