電子薬歴を選ぶとき、システムの利便性は至上命題です。
「うちの薬局に合っているのかな」という不安もあるかと思います。
最近は薬歴専門メーカーも続々と登場していますよね。
薬歴専門で作っているだけあって、機能としてレセコン会社のものとは一線を画します。
また機能の充実だけでなく、それぞれのメーカーによってコンセプトが分かれている点も注目したいところです。
今回はそんな薬歴専門メーカーの電子薬歴を、各メーカーの特色や商品開発の背景から比較します。
クラウド型電子薬歴メディクス(株式会社アクシス)
特色:豊富な機能と頻繁なアップデート
MEDIXSの特色としては、既存の電子薬歴のUI/UXを活かしながら、頻繁なアップデートで、薬歴として、細かい機能まで都度実装していく点です。
100%自社開発で作っているからこそのスピード感ですね。
現場の声をスピーディに反映!
2014年に、業界で初めてクラウド型電子薬歴として「MEDIXS」を販売。
2016年に在宅医療の推進やかかりつけ薬局の需要拡大を受けて「MEDIXS2」をリリース。
その後も月に1回以上のアップデートで、薬局の声や実態に合わせた、確かな実績と豊富な機能が魅力の電子薬歴です。
トピックス
アクシスの電子薬歴サービスとドコモの「おくすり手帳システム」が連携
https://japan.cnet.com/article/35156689/
ビデオ通話で服薬指導–アクシス、スマホアプリ「Medixs リモート調剤薬局」
https://japan.cnet.com/article/35158915/
端末台数に関係なく一律料金なので、端末台数でコストがかかっている薬局さんにぴったりです。
店舗間共有機能が充実しているので店舗間の薬剤師の移動が多かったり、店舗間の近い地域密着型の薬局にもおすすめです。
CARADA電子薬歴Solamichi(株式会社ソラミチシステム)
特色:圧倒的使いやすさ
Solamichiは使いやすさに徹底的にこだわった電子薬歴です。
1画面で見られる情報を厳選して、感覚的に使えることを何よりも重視しているので、PCやタブレット操作に慣れていない薬剤師さんも安心ですね。
健康を総合的にフォロー!
株式会社エムティーアイのグループ会社ソラミチシステムから2019年発売。
株式会社エムティーアイは「ルナルナ」(体調管理から妊娠・出産後・育児までをサポートするサービス)や「CARADA」(食事や血圧等、様々なデータを記録・管理できるアプリ)を提供しています。
今後連携すれば、より一人ひとりに合った服薬指導が期待されます。
トピックス
エムティーアイのグループ会社ソラミチシステムが、クラウド薬歴『Solamichi(ソラミチ)』の提供をスタート!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000542.000002943.html
『CARADA オンライン診療』と『CLIPLA』『Solamichi』が連携スタート!
https://japan.cnet.com/release/30439667/
クラウド型でシンプルさを重視するならCARADA電子薬歴Solamichi。
音声入力もオプションで付けることができます。
すでにiPad Proを持っている持ち出し台数が多い薬局さんにもおすすめです。
薬局体験アシスタントMusubi(株式会社カケハシ)
特色:新しい薬局体験を電子薬歴で実現
カケハシの特色は、薬局を「薬をもらう場所」から「付加価値を提供する場所」に変えるというコンセプトの転換を目指しているところです。
そのためセミナーや勉強会にも力が入っていますね。
機能もコミュニケーションをサポートする工夫がされています。
患者さんと向き合う薬剤師をサポート!
武田薬品出身のCEOと、マッキンゼー出身のCOOの2人で2016年3月創業。
同年8月に、患者と医療従事者の情報ギャップを埋めるべく「Musubi」をリリース。
定期的にセミナーや勉強会も開いているように、「薬局・薬剤師と患者さん双方の薬局体験を向上させる」という軸に沿ったサービスが魅力的ですね。
トピックス
調剤薬局のDX化へ–カケハシ、電子薬歴システム「Musubi」を刷新
https://japan.cnet.com/article/35156203/
カケハシ Musubiの服薬指導支援でPG製剤の点眼アドヒアランス向上
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69938
独自の生活指導機能は他社にはありません。
ユーザー向けの勉強会への参加や患者さんとのコミュニケーションをしっかりとりたい薬局におすすめです。
スマート薬歴GooCo(株式会社グッドサイクルシステム)
特色:iPad特化で場所・時間にとらわれない電子薬歴
グーコは、「薬剤師業務の広がりと高度化をサポートする」ことをコンセプトとした電子薬歴です。
iPadに特化したUI/UXは、場所を選ばず、複雑化する薬局業務を効率化させてくれるでしょう。
タブレットで薬剤師の仕事を効率化!
先確認(調剤前に服用状況等をヒアリングすること)が出来る薬歴があったら、と、知り合いから要望されたことから創業。
その後、調剤室や待合室を行き来する薬剤師の業務にiPadが使えたらと考え、iPadでの操作性を重視した「GooCo」の発売となりました。
周囲を「ギャフン!」と驚かせるものを作るという創業当初からの社長の言葉には、システムへの自信が伺えます。
トピックス
【新製品】“先確認”とクラウドにも対応‐調剤レセコン「サキレセ!」発売 グッドサイクルシステム
https://www.yakuji.co.jp/entry53984.html
薬剤師の働きを数値化して評価していく――スマート薬歴「GooCo」の新たな挑戦
https://www.talent-book.jp/goodcycle/stories/1846
iPadをすでにお持ちの薬局さんにおすすめです。
在宅やOTCの患者さんが多い薬局さんにぴったりです。
様々な特色や背景がある電子薬歴
電子薬歴の薬歴専門メーカーごとに特色や背景を見ていくと、各メーカーの違いの源も、少しずつわかってきます。
各メーカーならではの持ち味やコンセプトは、電子薬歴選定の基準の一つになります。
電子薬歴検討の際は、各メーカーの強みやアドバンテージを、参考に選ぶのもありかもしれませんね。