薬剤師の数が増え、「供給過多になっている」と言われています。
薬局の経営者の皆さんは毎年増える求職者の採用に頭を悩ませますよね。
最近の薬学生さんは、薬の知識を豊富に勉強されていて心強いです。
しかし、それとは別に、薬歴の書き方などの実務は働いていく中で、地道に覚えてもらわなければいけません。
「チーム医療に関わりたい」「患者さんとのコミュニケーションを大事にしたい」「生まれ育った地域で医療に貢献したい」……。
薬学生さんの言葉はさまざまです。
今回は薬学生さんからよく聞く志望動機を切り口に、その薬局にぴったりな薬歴を紹介していきます。
「患者さんと深くかかわりたい」
この志望動機はよく聞くものですね。
個人宅への訪問調剤は、施設に比べて一人の患者さんと長く関わることができます。
企業説明会や合同説明会などでも、訪問の「個人宅」「施設」の割合を聞かれることも多いかと思います。
また、かかりつけ薬局として実績があったり、薬剤師がかかりつけに積極的な薬局は、この点で有利です。
「患者さんと深くかかわりたい」という熱意を持った薬学生さんから、とても魅力的に映ることでしょう。
個人宅への訪問やかかりつけ薬局は薬局内だけではなく、外で薬歴を書く機会が多くなります。
紙にメモをしたり、薬局に戻ってから薬歴を作成したりしている業務も発生しがちです。
こういった手間は、クラウド型(メディクス、Musubiなど)の電子薬歴を使うことで効率化することが可能です。
薬局の外で薬歴が書けるので、24時間対応にも対応できるのもメリットですね。
また、タブレット端末やノートパソコンを持ち出して、過去の処方や指導を確認したり、その場で薬歴を書いたりできることも薬学生さんへの1つの訴求点になります。
まだレセコン一体型のものを使っている薬局は、このようなメリットの側面から、クラウド型の電子薬歴を検討してみてもいいかもしれません。
「チーム医療に関わりたい」
薬局におけるチーム医療といえば在宅医療。
在宅に力を入れている薬局では一番にあがる志望動機ではないでしょうか。
その中でも施設への訪問は、往診同行などの中で各方面と連携する必要があります。
医師、看護師、ケアマネージャーなど多職種とのコミュニケーションは今後も必ず必要になってくるでしょう。
採用の際は、
・往診同行のスピードについていけるような段取りの良さはあるか
・テキパキ動けそうか
なども見ておきたい点ですよね。
施設への訪問が多い薬局では、USBに情報を入れて持ち運んだり、訪問患者をExcelで管理したりしているケースがあります。
しかし、昨今では、このような手法は、個人情報や機密情報の漏洩につながるとして推奨されていません。
クラウド型の電子薬歴ならこういった手間をなくすことができます。
薬学生さんも「最新のものを使って管理している」「個人情報漏洩の当事者になりにくい」という点でメリットを感じるかもしれません。
施設の訪問は人数も多く、往診同行はスピーディに患者さんを見ていくことになります。
電子薬歴を検討する際は、端末が素早く動くのか、患者さんをすぐに画面上で切り替えられるのか、細かいところで使いやすい電子薬歴を検討しましょう。
「OTC医薬品の知識も身につけたい」
ドラッグストアで働いている方はこういった思いを持って働いている方も多いかと思います。
そういった薬局はOTCの薬歴が使いやすいことを重視して薬歴を選定してもいいかもしれません。
最近の電子薬歴はこういった機能をしっかりとおさえています。
例えば、GooCoはOTC専用の薬歴もあるので、OTC販売の多い薬局にはぴったりです。
「生まれ育った地域で医療に貢献したい」
個人経営の薬局や特定の地域で展開している薬局には、こういった思いを持って働いている薬剤師もいますよね。
自分が生まれ育った地域で働きたいという薬学生さんにとって地域密着型で運営されている点は大きな魅力の一つです。
薬局としても長く働いてくれる人を採用したいですよね。
複数店舗で地域密着型で運営している薬局は、店舗間の距離が近い分、薬剤師や患者さんの移動が多くなります。
例えば、ヘルプで別の店舗に行ったときに薬歴をその店舗でしか書けなかったり、ということはわりとあります。
また、患者さんが他の店舗に行ったときに「一から質問をされて煩わしい」という不満が出たりすることもあるかと思います。
その点、クラウド型の電子薬歴なら店舗をまたいで情報にアクセスすることができます。
ヘルプ先の薬歴を自店に戻ってからゆっくり作成できたり、患者さんが系列店に来ていた際に患者さんを待たせることなく情報を引き継げたり、といったことが可能です。
むしろ、薬剤師の出入りが激しいからこそ最新の設備を導入すると、メリットを存分に活かすことができます。
「とにかく忙しいところで自分の力を磨きたい」
上昇志向の強い薬学生さんですね。
こうした学生さんが来る薬局は、既にいろいろな工夫をされていることでしょう。
ただ、店舗の面積の問題で薬歴の端末を増やせなかったり、タブレットでも薬歴が書ければという声が挙がっている薬局もあるかと思います。
店舗の面積に余裕があるのなら、一体型の安いレセコンを検討してもいいかもしれません。
モイネットやZOOといった一体型の中でも比較的安いレセコン会社なら、比較的低予算で業務を効率化できる可能性があります。
逆に、店舗面積に余裕がなかったり、タブレットでも薬歴を書きたいといった場合、薬歴専門メーカー(メディクス、GooCoなど)のものがおすすめです。
iPadやその他のタブレット端末で薬歴を書くことができるので、一人一台体制も簡単に実現できます。
また、人が増えた時にも簡単に端末を増やすことができるので柔軟に対応できるのがメリットですね。
患者さんや薬学生さんにも選ばれる薬局へ
最近は多くの情報が携帯一つで調べられるようになっています。
紙薬歴の店舗より、電子薬歴を使っている薬局の方が薬学生さんからすれば魅力的に映ります。
ただ、一方で、最近は便利になりすぎるがあまり、自信の薬剤師としての能力より、機械の機能に頼ってしまうという例も耳にします。
いわゆる「サジェスト」と呼ばれる機能で、自動で適切な文をおすすめしてくれるので、薬剤師としての力が育たないという声もあります。
薬学生さんから選ばれると同時に選ぶ側の薬局として、本当に薬学生さんのため、薬局のためになることを考えて電子薬歴を選択していきましょう。
薬局としても、「うちはこういう電子薬歴を使っているから君のやりたいことが実現できるよ」というアピールにもなるかもしれませんね。